11月15日の夜空に

11月15日の夜空に

坂本龍馬がタイムトラベルで現代!?

坂本龍馬が現代に現れたら??

龍馬が大政奉還に尽力して150年。日本に身分差別はなくなったと言っても過言ではなく、恐らく幕末よりは住みやすく、平和な世の中になった。それでも、今も人は殺され、自殺は後を絶たない。見えない未来に悶々としていた鈴木の元に龍馬が現れる。龍馬は言う。「生きろ!」と。「人間生きてりゃ何かをなすことが出来る。死んだら何にもならんぜよ!」住みにくい現代。声を大にして自分の主張をすると、反対意見のネット民に批判され、疲弊する。そんな中で声を大にし、勇気をくれるのは坂本龍馬かもしれない。幕末の悲劇と現代の苦悩の中で、生きる勇気を持って、夢と希望を持って「生きよう」と思える物語。

坂本龍馬のメッセージ「強く生きろ!」

【脚本・演出家からのメッセージ】

何故「いじめ」はなくならないのでしょうか?いじめの質や問題はその時々により異なるので、一元的にいじめを捉える事は当然出来ません。戦争がなくならないように、いじめはなくならないのかも知れません。それでも!「いけない事だ」と言い続けなければ・・・。いじめなんかに「負けるな!」と、そんな事で命を落としてはいけないんだと・・・。

歴史上のヒーローが現代に蘇ったら、今の日本を救ってくれるでしょうか?そんなヒーローの一人、坂本龍馬が現代に現れたとしたら、きっと「全ての人間は生きてもいいんだ」と教えてくれる筈。龍馬と現代の日本が抱える問題を絡めた、タイムトラベルファンタジーを演劇というツールを使って、最大限に魅力的に表現してみました。坂本龍馬というフィルターを通す事により「生きろ!」「お前なら出来る!」と、普通の人が大声で言ったら恥ずかしい言葉が、きっと中高生の心にも素直に響く筈です。私の子供の頃と違い、生きていく事の難しさを既に感じている現代の子供達に生きる勇気を持って貰いたい。友達を大切にして貰いたい。そんな思いで、この作品を作りました。

【池袋演劇祭大賞受賞作品・審査員の方の声】

<A氏>

脚本、演出、役者の演技力、すべてうまくいっている。ドラマや映画は背景を変えればいいが、舞台では観客の想像力に頼るしかない。そのためには観客が如何に感情移入できるかによるが、本作はその点でも大変成功している。近年の演劇祭の中で最高の作品ではないでしょうか。

<B氏>

舞台はシンプルであるのにドアの開閉音や演者のマイムにより、玄関の存在も見えるようであり、現在と過去の変化も演技の繋ぎ方と照明により違和感なく現代を行き来する事ができた。殺陣もよく感動の涙でした。

<C氏>

史実に基づき龍馬を丁寧に描いているし、龍馬が現代の若者を優しく突き放しているところが良い。

<D氏>

静かな音楽の中で展開される殺陣が圧巻。切なく散っていく龍馬と彼の子供時代の思いでに涙を止める事が出来なかった。

『11月15日の夜空に』あらすじ

売れない小説家、鈴木大倫。彼の元に坂本龍馬が現れる。大政奉還を実現し、身分差別のない世の中を作った龍馬。日本人同士が殺し合っていた時代を生きた龍馬が、暗殺の直前に導かれたように鈴木の元に現れた。

幕末という激動の時代を生き、散っていった志士達。多くの若者が時代に不満を持ち、武力で何かを制圧しようとした中、龍馬だけは「商売」で何かをなそうと考えた。「身分差別をなくせば、平和な世の中が生まれ、無礼打ちと言う無益な殺生は無くなる。」そう考えていた。

そして、鈴木も将来に不安を抱き、生きることの難しさを漠然と感じている。形は違っても、現代でも人は殺され、学校でも社会でもいじめが横行している。そして、鈴木の妹は今まさに、いじめの問題に直面していた。

鈴木が願う「日本を洗濯して欲しい」

龍馬は言う。「おまんが好きなようにしちゃり。」

龍馬もまた、生きることの難しさを感じていた。

鈴木が問う。「人は何故死ぬんだろう。」

龍馬が言う。「何故人は死ぬんか、わしにも分からんぜよ」

死にたいと漏らす鈴木の妹に龍馬は言う。「人間生きてりゃ何かをなす事が出来る。死んだらいかん。死んだら何にもならんぜよ!」

そして、龍馬は再び幕末に帰る事を選ぶ。暗殺されたあの日に帰る直前、龍馬は鈴木に言う。

「わしが生きちょっても、今の時代は何も変わらなんだ。今の時代を変えられるんは、今の時代に生きゆうおまんらぁぜよ!」

龍馬は散っていく。未来の若者に希望を託して・・・。

鈴木は自分に出来る事を見つけ、明日を生きようと誓う。

劇団紹介

前身である「劇団第三反抗期」から約25年。「演劇を分かりやすく、広い世代に!」をモットーにファンタジー作品を発表しつづける。発表作品約40作品。

「俺たちは(ぺ)天使だ」で池袋演劇祭優秀賞受賞

「ピース」で星の戯曲賞準グランプリ受賞

「11月15日の夜空に」で池袋演劇祭大賞受

スピーディーで映画のような場面展開は「時間を忘れる」と見ている者の気持ちを惹きつけ、優しい物語展開は「涙をこらえるのが大変だった」と観客の心を深く抉り、鷲掴みにする。

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